
エアコンのガス漏れの原因として、最近多いのが銅管の蟻の巣状腐食ですが、もう一つの主な原因が、取り付け工事のときの配管の接続部からのガス漏れです。銅管の先を広げる「フレア加工」でバリ取りが甘かったり、接続のナットを締めすぎた(オーバートルク)りすると、接続部から少しずつガスが漏れることがあります。
この記事では、取り付け業者の方が解説している施工の注意点をもとに、接続部からガスが漏れる仕組みと、気づくためのサイン、取り付けを頼むときに確認したいことを、埼玉県草加市を拠点にエアコンクリーニングを行っているアースクリーンが図でまとめました。
接続部は、どこにある?
エアコンの室内機と室外機は、冷媒ガスが通る2本の銅管(細い液管と太いガス管)でつながっています。銅管は、室内機の裏側と室外機のバルブで、フレアナットというナットを使って接続されています。2本の管それぞれに接続部があるので、1台のエアコンに4か所あります。
室内機側の接続部は、断熱材で巻かれて室内機の裏に隠れていることが多く、外からは見えません。家庭用エアコンでは、細い管に6.35mm(2分)、太い管に9.52mm(3分)や12.7mm(4分)の銅管がよく使われます。配管を延長した場合は、途中にも接続部ができます。
フレア接続の仕組み:金属どうしの密着でガスを止めています
エアコンの配管の接続は、銅管の先をラッパのような形に広げ(フレア加工)、エアコン側の継手(ユニオン)の円すい形の面に押し当てて、フレアナットで締め付ける方法が一般的です。パッキンなどは使わず、銅のフレアの面と継手の面が、金属どうしで密着することでガスを止めています。
そのため、フレアの面に傷やゆがみがあったり、締め付ける力が合っていなかったりすると、すき間ができてガスが漏れます。エアコンメーカーも、フレア加工は適切に行わないとガス漏れの原因になる重要な作業で、作業する人の技量によって仕上がりにばらつきが出やすいと説明しています。業務用エアコンでは、フレア加工をしなくても接続できる継手を付けて、技量による漏れを減らす工夫をしているメーカーもあります。
バリ取りが甘いと、フレアの面がきれいに仕上がりません
銅管は、長さに合わせてチューブカッターで切ってから、フレア加工をします。切った管の端には、内側にバリ(めくれ・ささくれ)が残ります。施工の手引きでも、フレア加工に影響が出ないよう、リーマーなどの専用の工具で管の端のバリを取り除くこととされています。
バリが残ったままフレア加工をすると、フレアの面がなめらかに仕上がらず、継手との密着が不十分になります。冷媒ガスには高い圧力がかかっているため、わずかなすき間からでも、少しずつ漏れていきます。
締めすぎ(オーバートルク)も、締め不足も、漏れの原因になります
フレアナットは、管の太さごとに決められた力(締め付けトルク)で締めます。施工の注意でも、継手側をスパナで押さえながら、トルクレンチ(決められた力で締められる工具)を使って、機器メーカーの推奨トルクで締めるよう求められています。
締め付けが弱いと、接続部にすき間が残ってガスが漏れます。反対に締めすぎると、ナットに無理な力がかかり続け、割れ(応力腐食割れ)の原因になります。締めすぎた場合は、取り付けた直後には漏れず、しばらくたってから割れて漏れることもあります。また、配管を引っ張ったり、無理に曲げたりして、管に力がかかったまま締めると、十分な締め付けの力が得られず、漏れやゆるみの原因になるとされています。
| 銅管の外径 | 呼び方 | 締め付けトルク |
|---|---|---|
| 6.35mm | 2分(1/4) | 16±2 N·m |
| 9.52mm | 3分(3/8) | 38±4 N·m |
| 12.7mm | 4分(1/2) | 55±6 N·m |
| 15.88mm | 5分(5/8) | 75±7 N·m |
数値は目安です表は配管部材メーカーの資料の目安です。実際に締める力は、エアコンの据付説明書の値に従います。メーカーや資料によって、少し違う値が書かれていることもあります。
接続部のガス漏れのサイン
接続部からのガス漏れも、多くは少しずつ漏れていきます。次のようなサインで気づくことがあります。
- 冷えにくい・暖まりにくいガスが減ると、冷房や暖房の効きが少しずつ悪くなります。
- 室内機の熱交換器に霜がつくガスが足りなくなると、熱交換器の一部に霜がつき、水漏れの原因にもなります。
- 冷房中なのに、室外機から出る風がぬるい室外機の風が常温に近いときは、熱をうまく運べていない可能性があります。
- 室外機のバルブのまわりに、油のにじみや黒い汚れ冷媒ガスには油が混ざっていて、漏れた所に油がにじみ、ほこりが付いて黒く見えることがあります。
- 取り付けてから、早いうちに効きが悪くなった取り付け工事の不備によるガス漏れは、工事のあとすぐに分かることもあれば、1年以上たってから分かることもあります。
このほか、室外機を無理に動かして配管に力がかかった場合にも、接続部からガスが漏れることがあります。
蟻の巣状腐食との違い
ガス漏れの2つの主な原因は、漏れる場所と直し方が違います。
| 接続部(フレア)からの漏れ | 蟻の巣状腐食 | |
|---|---|---|
| 漏れる場所 | 室内機・室外機の配管の接続部 | 室内機の熱交換器の銅管 |
| 主な原因 | バリ取りの不足、締め付けトルクの過不足など、取り付け工事の不具合 | ギ酸・酢酸などの酸による腐食 |
| 分かる時期 | 取り付けの直後〜1年以上たってから | 使い始めて数年たってから |
| 直し方 | 接続部のやり直しと、ガスの補充 | 熱交換器の修理・交換(メーカー修理) |
どちらの場合も、漏れている場所を直さずにガスを補充するだけでは、また漏れます。蟻の巣状腐食については、銅管の蟻の巣状腐食の記事でくわしくご紹介しています。
取り付けを頼むときに確認したいこと
接続部からのガス漏れは、取り付け工事のていねいさで防げる部分が大きい漏れです。取り付け業者の多くが、施工のていねいさとして説明しているのは、次のような点です。
- バリ取りとフレア加工を、ていねいに行っているか専用の工具で管の端のバリを取り除いてから、フレア加工をします。
- トルクレンチで、決められた力で締めているか勘に頼らず、管の太さごとの決められたトルクで締めます。
- 真空引きをしているか配管の中に空気や水分が残ると、エアコンが正常に動きません。真空ポンプで配管の中の空気と水分を抜きます。
- 接続したあとに、漏れがないか確かめているか冷媒の配管は「乾燥(水分がない)・清潔(ゴミがない)・気密(漏れない)」の3つが大切とされています。
取り付けから日が浅いときは取り付けてから間もないのに効きが悪い、霜がつくといったときは、まず取り付けた業者に相談してください。
よくあるご質問
取り付けてすぐなのに冷えが悪いのは、ガス漏れですか?
原因の一つとして考えられます。取り付け工事の不備によるガス漏れは、工事のあとすぐに分かることもあれば、1年以上たってから分かることもあります。まずは取り付けた業者に相談してください。
ガスを補充すれば直りますか?
漏れている接続部を直さないと、また漏れます。接続部のやり直しと、ガスの補充が必要です。
フレアナットを自分で締め直してもいいですか?
冷媒ガスには高い圧力がかかっているため、ご自身での作業は避けて、専門の業者に依頼してください。締めすぎると、割れの原因にもなります。
接続部は、どこを見れば分かりますか?
室外機のバルブ(配管がつながっている所。カバーで覆われていることもあります)のナットのまわりに、油のにじみや黒い汚れがないかを見てください。室内機側の接続部は、室内機の裏に隠れていることが多く、外からは見えません。
ガス漏れしているときに、エアコンクリーニングをしても大丈夫ですか?
ガス漏れしているときのクリーニングは逆効果です。漏れている箇所に負担がかかり、漏れが広がる可能性があります。
アースクリーンは2012年設立。埼玉県草加市を拠点に、埼玉・東京23区でエアコンクリーニングを行っています。エアコンクリーニングは年間500台以上、累計10,000台以上。スタッフは全員、経験10年以上です。Googleの口コミは★5.0(56件・2026年9月26日時点)をいただいています。当店については店舗概要を、壁掛けエアコンのクリーニング料金は壁掛けエアコンクリーニングのページをご覧ください。エアコンの水漏れの原因は、エアコンの水漏れの原因まとめで一覧にしています。
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